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★死を乗り越えるために最低限必要なこととは

先日、大学院在学時代の先輩が亡くなった。50歳にまだなっていなかった。いろんなことを教えてくれた人で、私の人生の恩人だ。今のように、文化に関心を持つ生活を送れるようになったのは、その人のおかげだ。数年前に、同じ会社に勤めていた同僚が30歳で亡くなったのを聞いて、とてもショックを受けたが、そのときよりもずっと近い人が亡くなって、しばらくずっと考え込む日々だった。池田晶子・大峯顯「君自身に還れ」90ページ。

大峯 果たして死は万一でしょうか?すべての人が死ぬのに。
池田 100%ですよ。
大峯 100%です。(中略)自覚がなければ死を超えられないですから。死の自覚があって初めて死を超えることができるんであって、自覚がなかったらダメですね。(中略)死に出会ってびっくりして目が覚めて考え始めるんだね。人間に思考を最初に与えてくれるものは死ですよね。
池田 必ず死ですね。そして、変わらぬものと変わらないものへの思索が始まる。
大峯 知は驚きから始まる。驚かないと哲学は始まらない。
池田 「いつまでテキスト読んで哲学やってるの、あんた死ぬんでしょうが」と言ってもわからないんですよ。驚かないもの、驚けとは言えないんですよ。

「私はもうすぐ死ぬ」という自覚なしに死んでしまうことほど不幸なことはないと思う(「もうすぐ」というのは、哲学的な意味合いであって、時間的に5分後とか、そういう意味ではない)。私自身も、アナタも、愛する人も、憎むべき人も、お金持ちも、貧乏人も、優しい人も、犯罪者も、首相も、教祖も、みんな死んでしまう。それこそ、100%の確率で。現に、著者の一人である池田晶子も亡くなった。亡くなった先輩が、そのことを自覚して亡くなったのであればいいのだが。いや、すべては後の祭り。合掌。そして、涙。

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