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★クロス(CROSS)のボールペン

探し物をしていて、最近使っていないカバンの中を調べていたら、ボールペンが数本出てきた。その中に、1本見覚えのあるペンがあった。もう何年も前のことになるが、米国の高級筆記具メーカーA.T.CROSS社のボールペンで、当時付き合っていた女性からもらったものだ。

クロームメッキのもので、ネットで買えば4000円弱。プレゼントとしてはそれほど高価ではないが、ボールペンとしてはかなり高価な方に入る。だが、それをプレゼントしてくれた彼女は、大手企業の出世ルートに乗っており、私よりもずっと収入は多かった。彼女にとっては、それほど高くない買い物だったはずだ。

書き味はとてもよくて、引っかからない。残念ながら、私は筆圧が強い方なので、書き味の良さが生かせないし、4色ボールペンを常用しているため、黒だけのボールペンは使うシチュエーションが限られてしまう。なので、カバンに放り込んだままになっていた。もとは鈍い銀色に光っていたのだが、昨晩取り出してみると、全体的に少し黒ずんでいた。さびの一種だろうが、書き味は変わっていない。

もう一度、この人生を生き直すとしたら…いや、止めておこう。「後悔しても何もかも遅い」と書きかけたが、そんなことは言うまでもない。カードをめくったあとで、「隣のカードをめくればよかった」と考えるのは、プレイヤーとして最悪だ。このボールペンが手元にあることも、悪くはない思い出の一つとして心の中にしまっておくことにしよう。

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★彼女に悩みを相談されたら、どうすればいい?

「はてな」に、こんなQがあった。

彼女からよく家庭の悩みの相談をされます。自分の仕事が忙しい時などは話を聞くのが億劫なときもあり、あいまいな対応になってしまうのですが彼女にひどく非難されます。「あたしのことをわかってくれない!」「こんなことはあなたにしか話せないのに!」「疲れてるときはあまり話したくない」と答えても、「恋人同士でまともに話できないなんておかしい!」最後には泣かれてしまいました。(中略)「疲れてるときは遠慮してほしい」というのはそんなに間違っているのでしょうか。

相手のことが好きなら、あるいはそれほど好きでなくても、彼女と良好な関係を保ちたいなら、女性の話は必ず聞くのを基本方針としたい。女性が悩みを抱えていて、「誰かにわかって欲しい」と思っているときはもちろんのこと、特に悩みがなく、日常生活で体験するちょっと嫌なことくらいしか話すことがなければ、それを話してもらって聞く。つまり、男性が心がけるべきは、


       聞いて聞いて聞きまくれ!


である。アドバイスは必須ではない。むしろ、共感が必須である。

どういうことかと言うと、「これこれのことで困っている。どうしようか迷っていて、AにするかBにするか決められない」という話を聞いたとき、男性がすべきことは「ボクはAがいいと思うよ。Aにしなよ」という返事ではない(もちろん、女性がそれを聞きたいときもあるのだが)。「うーん、AもBもいいね(orよくないね)。ボクだったらAにするけど、Bの方がためになるって意見もあるし…難しいなあ」でいい。優柔不断な男性が嫌いな女性や、意見を聞きたい女性は怒り出すかもしれないが、そういうのは付き合っていればわかる。「ボクだったらAにするよ」で止めておいて、「そう、じゃあAにするわ」とか「Aはダメよ。やっぱりBにするわ」とか言わせればいい。

悩みが込み入っていればいるほど、アドバイスは難しくなり、頑張って考えてあげても、なかなかそのまま受け入れてもらえることは少なくなる。そんなときは、とにかく女性の立場に立って、彼女の気持ちを理解しようとすること。たとえば…

大学を中退した妹が留学したいと言い出した。「学歴ロンダリング」にしかならないし、特に外国語が堪能でもない妹が、一人で外国の大学に行っても、語学研修くらいにしかならないのはわかりきっている。止めたいのだが、どうも姉である自分に対してコンプレックスを持っていて、自分の言うことは聞かない。親は、大学中退という傷が消えるから、二つ返事で行かせるつもりだ。

…という相談を受けたとする。家族の問題だから、男性が介入することはできないが、女性にとっては大問題である。何とかしてあげたい。

まず、よく肝に銘じておきたいのは、こんな相談に正解などないことだ。闘病中の河合隼雄がいろんなところで似たようなことを書いているが、込み入った問題ほど、一カ所集中の「強い」解決法は失敗する可能性が高い。たとえば、このケースの場合、「語学ができないのに、海外の大学に行っても大変なだけよ」と姉が説得し、両親に根回しして留学費用を出さない方向に持って行ったとしよう。留学問題は解決するかもしれないが、根本的な問題はほとんど何も解決しない(解決しないままでいい、という考え方もあるのだが、それは今回はふれない)。姉が両親に根回ししたことを、妹が知れば、新たな火種が生ずる。事態はさらに難解になってしまうわけだ。

さて、正解がないのであれば、今の関係では、男性の方はこの問題に対して強く関わることは難しいと判断せざるを得なくなる。女性が男性に介入を望んでいるのでない限り、アドバイスは抽象的なもの(「妹さんの気持ちも大切にしたいね」とか)、あるいは表面的なもの(「語学ができないなら、留学前に国内で勉強させたら?」とか)にせざるを得ない。むしろ、当事者である女性を励ます(「頑張れ!」とかではない)方向に動くしかない。そして、女性を励ます一番の方法は、一生懸命、話を聞くことなのである。

しかし、この質問者の男性はわかっているように、話を聞くのは辛いときもある。自分が愚痴を言いたいくらいなのに、人の愚痴を聞かされるのは大変だ。疲れているときに、一生懸命、話を聞くなんて無理。それはまったく当たり前だと思う。

どうしても話を聞けないときは、話を聞けるときに聞くしかない。至極当たり前で、月並みだが、これしかないと思う。「今は忙しいから、週末に聞くよ」とか「明日、こちらから電話するよ」とかしか言いようがない。これを拒否して、「今、聞いて欲しいの」と言われたらどうするか。二者択一である。腹をくくって聞くか、別れても仕方ないつもりで聞くのを止めるか。

私自身は常に前者の選択をしたいが、この場合、間違いなく仕事が犠牲になる(程度の問題はあるが)。「ここでキミの話を聞いていると、重要な仕事が遅れてしまって、そのうちクビになるかもしれない。キミはそれでいいのかい?」と聞いてみるのもいい。責任のある仕事を任されている女性であれば、そのあたりは必ず納得してくれると思うが、そうでない女性の場合は、わかってもらえないこともあるだろう。どうするかは、自分で判断するしかない。体調が悪くないときに一生懸命聞いておくと、だいたいの女性は、こちらが体調が悪いときや愚痴を言いたいときに聞いてくれるので、「貯金」をしておいて「利子」でしのぐ手もあるが、いつでも誰にでも使えるわけではない。

女性の話を一生懸命聞くことは、その女性を大切にすることの重要な構成要素だと思う。おそらく、その女性を愛することの第一歩だろう。しかし、もしかすると、男性にとってはもっとも難しいことなのかもしれない。女性を愛するには一生が必要だ。そして、そのうちの半分は女性の話を聞くことだけに費やす必要がある。そう思う。

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