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★恋は冷めてしまうが、愛は育つ

20代のカップル、亮介と美緒は携帯電話の出会い系サイトで出会って、付き合い始める。亮介には、高校卒業直後に女性教師と同棲していたが、同棲している間に気持ちが冷めてしまい、女性教師が突然出ていくことで、関係が終わったという過去を持っている。吉田修一「東京湾景」より。

あれほど愛した先生にさえ、飽きてしまった自分の心が信じられずに、どんな愛をも信じられなくなっている亮介と、自分はどこか似ているような気がしてならない。そんな二人が、何も知らぬ振りをして今さら会って、何が始まるというのか。そのときを愉しめばいいと言う人もいる。先のことを考えず、ただそのときを愉しめ、と。でも、二人はもう十分にそのときを愉しんだ。もう、先のことしか、先にはないのだ。(259ページ)

恋は冷める。ある人への熱烈な思いは、冷めて消えてしまうこともある。しかし、愛は飽きたりしない。飽きるのは愛ではない。

愛は、積み重ねていくものだ。一つずつ、一緒に過ごした時間の記憶を積み重ねていき、互いにより近づいていくのが愛だと、私は考えたい。会っているときのときめきは薄れるかもしれないが、さらにぴったりと気持ちや体が重なっていく。それが愛なのだと思う。

ただそのときを愉しむ。確かに、大きな悦びを感じ取りたいなら、ただそのときを愉しめばいい。しかし、刺激によって生じる悦びを求めるなら、常により大きな刺激が必要となってしまう。無間地獄である。

そこから抜け出したいのなら、悦びを奪い取るのではなく、相手に悦びを与えたい。与えることによって、積み重なっていくものが、最終的に二人を温める。亮介と美緒が、互いから奪うのではなく、互いに与え合っていたなら、確実な何かが互いの間に育っていったのではないか。

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コメント

>・・・・悦びを奪い取るのではなく、相手に悦びを与えたい。与えることによって、積み重なっていくものが、最終的に二人を温める。

そうですね。そのとおりだと思います。

投稿: mia | 2005年3月17日 (木) 午前 05時05分

素敵な文章ですね。
一部、引用させていただきました。
TBを飛ばさせていただきます。

投稿: foofoo | 2005年3月18日 (金) 午後 04時00分

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» [N?] 素敵な文章みつけた「愛とは・・・」 [[N?] Nonsense?]
テクストによる恋愛放談さんの「恋は冷めてしまうが、愛は育つ」より 恋は冷める。あ... [続きを読む]

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