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★「妬み」を感じない人間であるべきか

久々の更新は、コミック「バビロンまで何マイル?」(川原泉)から。幼なじみの高校生、月森仁希(♀)と真船友理(♂)は、ふとしたことからルネッサンスのイタリアにタイムスリップするが、その前に友理は、同級生とのケンカの中で仁希のことをこのように説明する。

「月森仁希」とゆー人間は 妬み嫉みといった 負の情念の場所から 最も遠く離れたところに 住んでいる奴だからね(73ページ)

川原泉の作品には、妬みや憎しみといった「負の情念」を持たないのが素晴らしいことのように描かれることが多い。確かに、妬みや憎しみを抱いた人間をことさらに“よい”ものだとする必然性はないが、「負の情念」を持たないことがそのまま素晴らしいことなのだろうか。

もちろん、「負の情念」に自覚もせずに押し流され、あるいは押し流されたことを無条件によしとする人間には、好感は持てない。しかし、「負の情念」に突き動かされる自分の弱さを自覚した上で、そういう自分を常に省みることのできる人間には、私はとても好感を持てる。

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