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★妊娠させても学校は辞めるな(続)

「君を愛しているのかどうか、ぼくにはよくわからないんだ。でもね、『君を愛しているかどうかよくわからない』と君に告白するぼくの誠実さだけは信じてほしい。」もちろん、彼女は憤然と去ってしまった。(内田樹『子どもは判ってくれない』、7ページ)

大人はこんな告白の仕方は(普通)しない。誠実さをそのまま相手にぶつけることが、相手の理解を得られるとは限らないと知っているからだ。

先の記事はアドバイスではない。まあ、アドバイスとして読むのはかまわないけど、普通の大人なら、いつも職場でやっていることをそのまま当てはめただけだ。

普通の大人は、職場では自分の権限の及ぶ範囲をわきまえ、能力の及ぶ範囲で力を尽くして仕事をする。どこかの大臣のように、せいぜい1,2年の任期しかないのに、どう考えても任期中にできないことがわかっている約束、たとえば「成田空港の用地の収容に同意してくれたら、自分の命を差し出す」などという、実にくだらない、ガキのような約束はしない。

普通の大人が職場でする仕事と同じように考えてみれば、彼女を妊娠させたとき、先の記事で書いたようなことをするのが、当たり前だ。もちろん、現実には仕事の失敗を他人のせいにする大人が少なくないように、そういう責任を回避する大人もまた少なくないけどね。

で、私は「デキちゃったら学校辞めて働きますよ」という若者(高校生かな)の文言が“甘い”とだけ言いたかったのではなくて、責任の取り方として「学校を辞めて、働けばいいんでしょ?」という短絡的な方法は不適当だと言いたかったのだ。

確かに学校を辞めて働けば、妻子を食わせることはできるかもしれない。しかし、自分の人生を、妻子の人生とあわせてトータルで考えてみたときに、高校や大学を中退したり、大学進学を止めたりするのは、決してよい判断とは言えない。すっきりするかもしれないが、問題をよい方法で解決したとは言い難いと思う。むしろ、今とりあえず必要なモノ(働くことによって得られるお金や、意図しない妊娠を強いたことに対する「免罪符」)を得られてしまうことによって、問題をうやむやに解決したことにしてないか。

「妊娠させても学校は辞めるな」で言いたかったコトは、問題を“うまく解決したことにする”のではなく、問題はもっとも適当な解決方法が見つかるまで抱え続けよ、というコトだ。人生における問題は、今すぐ解決してしまうのが必ずしも最善とは限らない。割り切れない思いをしてでも、いい形での解決を目指して、問題を抱え続けるということを、若者にこそ試してもらいたい…と、オジサンは思うのだ。

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コメント

>問題を“うまく解決したことにする”のではなく、問題はもっとも適当な解決方法が見つかるまで抱え続けよ

本当にその通りですね。

若者に限らず、そうありたいものです。

投稿: mia | 2004年4月 7日 (水) 午前 05時44分

よく考えてみたら、若者に限らないですね。むしろ、オジサンにこそ、言えるのかもしれない。

投稿: ゆう | 2004年4月 8日 (木) 午前 02時07分

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