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援交少女からの質問(続き)

じゃあ、「幸せになれよ」という言葉が効力を持つ場面を考えてみよう。

「あなたと会うことは二度ととないかもしれないけれど、私どこに行ってもあなたと直子のこといつまでも覚えているわよ」 僕はレイコさんの目を見た。彼女は泣いていた。僕は思わず彼女に口づけした。周りを通り過ぎる人たちは僕たちのことをじろじろと見ていたけれど、僕にはもうそんなことは気にならなかった。われわれは生きていたし、生き続けることだけを考えなくてはならなかったのだ。「幸せになりなさい」と別れ際にレイコさんは僕に言った。(村上春樹『ノルウェイの森(下)』261ページ 講談社文庫)

ここだけ抜いてきても、読んだことのない人にはまったく意味がないが…。

直子の死を二人で分かち合って耐えてきた「僕」とレイコさんが、直子の“葬式”のあと、セックスをして、そして互いに幸せに生きようとすることを確認しあった場面、と私は読んだ。

ここで、「僕」もレイコさんも「これからも生きていくこと」を前提条件として共有している。そして、「どのように生きていくか」という話になったところで、「幸せに生きていく」という選択肢が現れてくるのだ。決して、「幸せになるために生きる」という話にはならない。

…この話、わかっている人には言うまでもないことで、わかっていない人には「アホか」と言われるだけだろうなあ。

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» 『ノルウェイの森』 [いものかんづめ]
最近新たに本を読むのが億劫になってしまったので既読書ばかりめくっている。 今は村上春樹著「ノルウェイの森」。 たぶん読み返した回数ナンバー1か2ではない... [続きを読む]

受信: 2004年4月 7日 (水) 午前 01時13分

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