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★恋人との記憶を思い出すとき

「僕の中の壊れていない部分」(白石一文)から。

誰かとの出会いを反芻することは僕にとって一種の慰めだった。もしかするとそのためだけに、僕は枝里子や大西夫人や朋美や、昔のさまざまな人々と付き合ってきたのかもしれない。こんな風にたまにどん底の気分を味わうことさえ我慢し、やり過ごすならば、誰もが過去においては常に生き生きと懐かしいものだ。(100ページ)

相手は恋人に限らない。そのとき、少しだけ親しかった誰かと過ごした時間。たとえば、学生時代に行った紀伊半島への旅行で、特急の座席に向き合って座った友人たち。あの時間はいったいどこに行ってしまったのか、もう二度と取り戻すことはできないのだが、しかしそのときの記憶は未だに私の手元にある。

数は多くないが、それぞれがはっきりと思い出される、女性と過ごした時間たち。期待に胸をふくらませて電話したり、並んで歩いたり、手を握ったり、物陰でキスしたり、腰に手を回したり。

年をとって目や耳が弱れば、そういうことを思い出しながら、死ぬまでの時を過ごしていくのも悪くない。これなら、独りでも死ねる。

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